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ヨガの【クラス】(レッスン、ポーズ)

NYCであるゲイのヨガの先生に学んだ自分らしく生きるということ

ヨガ、癒し、親、確執、反対、ゲイ、レズ、LGBT、初心者、わかりやすく

数年経った今でも、忘れられないヨガのクラスがあります。きっと一生、忘れることはないでしょう。ニューヨークのヨガスタジオ。ヨガの先生が「自分がゲイであることを高校生の時に初めて親に告白したときのこと」について、クラス全体に話してくれたのです。その短い話から、わたしは沢山のことを学びました。

最近、ニューヨークでのかつての日常に、思いを巡らせることが多くなりました。素敵なスタジオ、素敵なクラス、素敵な先生、素敵な生徒。ヨガ教室に通う中で、いろいろな『素敵』に出会うことができました(o^^o)どれも素晴らしい経験、大切な思い出です。

そんなニューヨークでのヨガライフの中で、わたしの心の琴線に一番触れたのは、あるヨガの先生のとても個人的な話です。うまく書けるかはわかりませんが、しばしお付き合いくださいね。

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はじまりは、いつものヨガクラス

ニューヨークのヨガスタジオ。
ほぼ満員のクラス。
広くて明るい清潔なスタジオに、たくさんのヨガマットが並びます。

わたしは真ん中よりはやや前の方、どちらかといえば右寄りの場所に座っていました。
30人近くの生徒達の方を向いて、穏やかに微笑む、
くりくりしたクセ毛の男性が、このヨガクラスの先生です。

では仮に、彼の名前をJohnとしましょう。
ジョンのクラスは、何回か受けたことがありました。
アスレチックで筋肉質なJohnは、男性のヨガ講師らしく、
難易度の高いポーズも得意でした。
明るい人柄で、カリスマ性もあるヨガの先生です。

そんなJohnは、ヨガレッスンを始める前に、
季節の話、精神性の話、最近の出来事などについて、何か話をします。
雑談やその日のレッスンテーマについて、最初に話をしてから動きに入るのは、
一般的なヨガクラスのスタイルです。

そして、
この日のジョンは、いつもみたいに挨拶すると、
いきなり、こう切り出しました。
「15歳のとき、父親に初めて、自分がゲイだってことを
 カミングアウトしたときに…」

 『ゲイじゃなければよかったのに。』父は言った。

「えっ!?」私の心の声です。
クラス全体の空気も、一瞬なんだか、ざわっ、としたような気がしました。
実際には、言葉を発した人は誰もいなかったのですが。

Johnは回想を続けます。
高校生だった僕は、父親に、ちょっと話があるんだけど、って
時間をとってもらった。

いつか言おうって決めてたから、言ったんだ。

『いままでちゃんと言っていなかったけど、父さん、
 僕ゲイなんだ。』

自分を生み育ててくれた親なので、
マイノリティである自分を理解して、
受け入れて、これからも見守ってくれるだろう。という期待が
ジョン少年にはありました。

 

そしてジョンの告白を静かに聞いていた

父は言ったのです。

 

 "I wish you weren't (gay)."

『ゲイじゃなければよかったのに。』

 

ジョンはゲイです。
ジョンは自分がゲイであることを、初めて父親に伝えました。
ゲイじゃなければよかったのに。
それが父の返事でした。

ジョンは高校生です。
多感な10代の少年は、
親から自分の存在を否定されたことに、ショックを受けました。

そのあと、父と息子は、
ジョンがゲイであることについて触れることはありませんでした。

表面上は、まるで何もなかったかのように、
時は過ぎて行きました。

 親の愛は、苦しみのない平凡な幸せを子に願う

それから十数年。
ジョンはヨガをするようになっていました。

30代となった大人のジョン。
昔、父親に自分を否定された心は傷ついたままです。

ある日、大人になったいま、父に話してみることにしました。
ティーンエイジャーだった頃、
ただ一度だけ話題にしたあることについてです。

『父さん。昔、僕が10代の頃、僕がゲイなことを告白したよね。
 あのとき父さんは、
 僕がゲイなんかじゃなければよかったのに、
 って言ったんだ。

 僕は父さんに自分を否定されて傷ついた。
 僕は父さんに認めてほしかった。
 なんで、そのままの僕を受け入れてくれなかったんだ!?』

 

父は驚いていました。

驚く父に、ジョンも驚きました。

 

『違うんだ。すまない。

 そうじゃない。本当に、すまなかった。』

 

『お前を否定したことなんてない。
 ゲイだろうが、そうじゃなかろうが、お前はお前だ。

 ただ、
 ゲイだというだけで、
 偏見や差別の目を向ける奴が、世の中には、確かにいる。
 お前という素晴らしい人間の内面を知りもせずだ。

 

 人生はただでさえ、険しい道なんだ。

 

 それを、ゲイというだけで、
 他の人よりさらに辛い思いを、きっとしてしまう。

 お前には、そんな目にはあって欲しくないと思った。

 だから、辛いことが増えなくていいように、
 人生が少しでも生きやすくあるように、
 そういう意味で、
 お前がゲイでなければよかったのに、と言ったんだ。』

 

『お前はいままで、ずっとそんな風に思っていたのか。

 本当にすまなかった。』

 

あの日の父は、多感な息子を否定したわけではなかったのです。

ただ、愛する息子の人生を思い、
幸せな未来を祈り、心配しただけなのです。

言葉足らずだった父と、誤解をしたままの息子。

 

息子のありのままの姿を受け入れることは、
父にとって当たり前すぎて、
わざわざ改めて伝える必要があるとは、考えもしなかったのでしょう。

勇気を持って、父に自分が傷ついたことを伝えたことで、
ジョンの長年の誤解は解けました。

 

その数年後、ニューヨークのヨガスタジオで、
彼のヨガのクラスを受ける
わたしたちにこの話をしてくれたのでした。

 

さて、この後はもちろん、通常通りヨガのクラスが行われました。
実は、このストーリーからジョン先生が何を伝えようとしていたのか、
はっきりと話の着地点を覚えていないのです。

『傷ついた過去の自分を抱きしめて、マットに立とう』
だったかもしれないし。

『あなたがそう選ばなければ、何ものもあなたの心を傷つけることなんてできない』
だったかもしれない。

『大切な人には、思いを言葉にして伝えよう』
だったかもしれない。

 

正直なところ、本当に、ただ、覚えていないのです。
きっと、とてもいいことを言っていただろうと、思うのですが。

それでジョンの話のオチの代わりと言っては何ですが、
この出来事からわたしが考えたことについて3つほど述べてみますね。

ヨガの先生の教え:人は自分の常識が当たり前だと信じている

ジョンとお父さんのやりとりを思い出してみましょう。
二人とも、それぞれ思い込みをしています。

ジョン:
 ・ゲイである自分のことを、父は受け入れてくれなかった
 → 父の無償の愛を理解していなかった

ジョンのお父さん:
 ・父である自分が、どんな息子でも受け入れていることは、
  息子はもちろんわかっている
 → 息子が父親に否定されるかもしれないと恐れている可能性を
   考えもしなかった

決定的な誤解です。その場でもう少し話をしていれば、きっとすぐわかったことです。思い込みとは恐ろしいものです。

私たちがつい忘れがちなこと。
あなたの当たり前は、他の誰かにとっては当たり前なんかではない。

価値観は人によって本当に様々です。

 

そして親の子を想う愛の深さです。
親は子の幸せを願っています。
そして、親の思う幸せは、その親の価値観、いままでの人生によって作られています。
大切な身近な人に、自分と似た道を歩んで欲しいと思うのは自然なこと。

ジョンの父親は、異性と結婚して家庭を持つことが一般的に幸せで良い人生、と考えています。
自分がそういう人生を歩んだから、それが彼の常識なのです。

そしてジョンはそれを知っていたからこそ、
父の価値観にそぐわない自分は認めてもらえないかもしれない、
と感じたのです。

だけど、ジョンとジョンの父は違う人間であり、
性格も育った時代や環境も違います。

父は『ゲイであるだけで人より苦労する愛する息子の人生』を憂いましたが、
それは彼の常識に当てはめた推測にすぎない。

未来のことは、わからない。
ジョンの人生を、ジョンがどう受け止めるかは、
未来のジョンしかわからないのです。

父も、ジョンも、そもそも心配する必要は、なかった。

だからこうも言えます。
自分を縛っているのは、古い自分自身の偏った考え方である。

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ヨガの先生の教え:秘密を告白されると、親しみを覚える

ここで少し視点を変えて。
私はなぜ、たくさん通ったヨガクラスの先生の一人に過ぎないジョンの話を、
いまだに覚えているのでしょうか。

なぜわざわざ、ジョンについて文章にしたりしているのでしょう。

それは、わたしがジョンに好感を持っているから、です。
「自分の仲間」のように感じているんです。

そしてそれはなぜかというと、
ジョンから彼の個人的なエピソードを聞き、
感情移入し、彼の存在が記憶に残ったからです。

ジョンがあのクラスで話した「秘密」は2つ。

一つは、自分がゲイである、という個人的な情報。

もう一つは、父親に拒絶され傷付いた、という彼の過去の経験と感情。

彼の口から聞かなければ、普通は知り得ないパーソナルな情報や感情を知ると、
距離が近くなった気がします。

心理学で言う自己開示が有効に働いたのです。

いきなり初対面の人に重く取られそうな話をするのは考えものですが、
頃合いを見計らって、人間味を感じさせる話を聞くと、
人と人との距離は近くよなぁ、と過去の経験からも感じます。

 

学生時代、すぐに人と仲良くなれる、先輩のRさんという方がいました。
わたしもRさんには、仲良くしてもらっていました。
アメリカで過ごす同じ日本人として、興味があって聞いてみたんです。

『Rさんは、どうして親しいアメリカ人の友達が、そんなにたくさんいるんですか〜?』

するとRさんは、意外にも、具体的な方法を教えてくれたのです。
『んーとね、悩みを相談すると、仲良くなれるよ。』 

まだそこまで知らない相手に、世間話の流れで恋愛相談をしたりするんだとか。
他にも体の不調の話とか、学校生活で困ったこととか、いろいろ話すそうです。

Rさんによると、「仲良くなりたいから個人的なことを話す作戦」の
根底にあるのは、純粋な好意と好奇心なんだとか。

「この人にもっと自分のことを知って欲しい」
「もっとこの人のことを知りたい」
という自然な気持ちを隠さずに伝えているだけなんですね。

Rさんは、素敵な女性で、モテる人でした。
自分の弱さを見せた男性と、お付き合いに至ったことも多かったみたいです。
完璧な人間なんていませんし、隙がない人より、
人間味のある人に、人は魅力を感じますもんね。

 

話は少しそれますが、自分の「欠点」を申告してしまうのは、
人間関係の潤滑油になります。

以前、初対面のある男性が、自分の頭を触りながら、
夏の暑い日にこう言ったんです。
「ちゃんと頭に、日焼け止め塗ってきたよ。
 僕は天然の防護が、人より少ないからね〜(笑)」

この方の容姿の特徴の輝きを、心に描けたでしょうか?

これを聞くと、若干返しに困ります。
でも思わず笑っちゃいます。場が和みます。
そして、
「あ、この人のハゲは、触れてはいけないハゲではないんだな。」
と思えて、気が楽になります。

このやりとりがなかったら、
髪の毛が少ないことは、「ないもの」として振舞うのがマナーです。
プレッシャーを感じます。
頭の方、なるべく見ないようにしなきゃ、とか。

自分の特徴を、徹底的に笑いのネタにしている明るいキャラの人は、好感が持てます。

太っている、前歯が出ている、滑舌が悪い、なんかも
先に自分から、さらっと一回言ってしまうと、
気遣いのできる付き合いやすい人と思われるかもしれません。

 

そして、ここからまた少し話はそれますが、
わたしが学生の時にアメリカで受けた授業の小話を。

それは体を動かすクラスで、二人組になってストレッチをすることになりました。
そばにいる身長が近い人とペアになるようにと、先生からの指示。
わたしは、近くにいた女の子と組んだはずです。

ふと横を見ると、小柄な女の子と、同じくらいの背丈の男の子が、
お互い近くにいたのか、ペアになったようでした。
わたしが、自分のストレッチの相手に、どっちが先にする〜?
と聞こうと口を開こうとした時。

隣にいるその男女ペアの男子が、
相手の女子に、こう言い放ちました。

  ”Don't worry, I'm gay."

 『心配しないで。僕ゲイだから。』

言い終わるが早いか、とっとと女の子をその場に座らせ、
背中を押してストレッチを始めていました。

別に授業でストレッチするくらい、誰と組んでもいいと、思います。

でも、もしかしたら、
よく知らない異性のクラスメイトに触れられるのに、
抵抗があるかもしれない。
そして、普通は、そんなこと言い出せないはずで、
目の前の彼女は、ちょっと困っているかもしれない。
だから、言ってあげよ。
ゲイだから何も気にせずに大丈夫だよー。
彼は一瞬のうちに、そんなことを考えたのかもしれません。

いやー、あれは本当に、さらっとイケメンな対応でした。
ちなみに、わたしとストレッチした相手の女子のことは、
何一つ覚えていません。
きっとその子もわたしのことは忘れているでしょう。
もっと言うと、その授業の先生がどんな人だったかも、
記憶にありません。
記憶に残る気遣い。
なんだか思い出したので、書いておきます。

ヨガの先生の教え:その仕事は、「あなた」がやることに意味と価値がある

突然ですが、進路を考える高校生が、
「将来は美容師になりたい」と言ったら、あなたはどうしますか?

美容院なんてもう、数え切れないほどあるんだから、
美容師免許持った人間なんて、星の数ほどいるんだから、
世の中はこれ以上、美容師を必要としていない。
だから、わざわざ君が新たに美容師を目指す意味なんてない。

そう答えますか??

 

そんなわけない!!!

 

美容師さんも美容院も、既にたくさん世の中に存在するのは、
確かに事実です。

 

では、別の仕事をしている社会人が、これから美容師を目指そうとしていたら?

学校を卒業する頃にはいくつになるの?
その年でアシスタントの下積み生活に耐えられるの?
スタイリストになるセンスとかあるの?

そう伝えますか?

本当に??

思い描く理想の人生が、
「美容師である自分」が送るそれであるならば、
美容師を目指すべきです。

どんな職業にも、ライバルはいます。
既にそれを極めたような伝説的な存在もいるでしょう。
競争はあるし「あなたでなくてもいい理由」はたくさんある。

でも、
大小いろいろな差別化の方法や付加価値の付け方があります。
「あなたがいい理由」
「あなただからよかったと思われる理由」もたくさんありうるんです。

この美容師の例に具体的な答えの案は出しませんが、
なぜジョンがヨガの先生をしていることに意味があるか
考えてみましょう。

 

ジョンより技術の高いヨガのインストラクターや、
ジョンより教えるのが上手なヨガの先生、
ジョンより有名なヨガ講師は大勢います。

しかし、そんなのは、あまり関係のないことです。

ニューヨークのヨガスタジオで教えるジョンが、
あの日あのクラスで話してくれたから、
わたしに届いたのです。

まずジョンの個性と人生があって、
それをヨガクラスで共有することをジョンが選んだから、
わたしは彼の話を聞くことができました。

どこかの高名なヨガの師匠とか、
違う国で教えるヨガの先生とか、
本やビデオの中のヨガの教えでは、
ダメだったのです。

これは、どんなことにも当てはまります。
あなたの個性と経験と性格を持って、
「あなた」がすることに、意味があるのです。

最後に:だれもがマイノリティであり、それは尊いこと

ジョン先生は、なぜ、自分の経験をヨガ教室の生徒に話してくれたのでしょうか。

それは、自分のエピソードが誰かの救いになるかもしれない、と
信じていたからだと思います。

ニューヨーク州では2011年から、同性婚が法律で認められています。
とはいえ、ゲイがマイノリティであることには変わりありません。
彼の父親との誤解と和解の経験は、
あの時クラスにいたかもしれない同じ境遇にある誰かへの、励ましになったかもしれません。

別にジョンは、ゲイの話をしたわけではないのです。
親や家族との関係性に悩んだことのない人なんて、いるのでしょうか。
親や世間の期待や当たり前と一致しない自分に自信をなくしたことは?
ある場所における大多数と自分が違うことに居心地が悪く感じたことは?
誰かとコミュニケーション不足で距離が遠くなってしまったことは?
ずっといえない心の傷を閉じ込めたままやり過ごしてきたことは?
ジョンが、どこまで考えた上で、この話をするに至ったかわかりませんが、
いろんな側面がそれぞれの心に響いたに違いありません。

そういえば、わたしはアメリカにいるときは、
日本で生まれ育った、日本語が母国語で、英語が第二言語の、日本人
であることに、
マイノリティであることに、それなりに悩んだりしたものでした。

それに比べて、
〇〇系アメリカ人、移民やその二世、外国からの養子など、
アメリカで育ったアメリカ人は、
自分の家族の出身国や生まれてすぐに離れた国を、
住んだことがなくて詳しく知らない・その国の言語も話せないのに、
心のふるさととして、非常に誇りにしていました。
一般的なその他大勢と違うことに価値があることを、
小さな頃から知っていたのでしょうか。

それでは、わたしが、
ニューヨークのカリスマyoga講師ジョンから学んだ3つのこと
まとめです。

  1. 人の考えや判断は、その人のそれまでの経験に基づいた
    常識や価値観からなること。
    異なる価値観同士が、わかり合うには、会話が重要なこと。
  2. 自分の個人的な情報(特に経験や感情、悩みや欠点など)を話すと、
    聞き手は話し手に親しみを覚えたり、打ち解けたりできること。
  3. この世に二つとして同じ人生はないので、
    なにごとも「あなた」が行うことに意味があり、
    「あなた」の個性や経験から付加価値が生まれること。
    誰もが何かしらの「少数派」となる場面があり、
    それがあなたの個性と希少価値となること。

それでは本当に長くなりましたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。

ヨガを通しての素晴らしい出会いに感謝し、
これからも自分の道を歩んでいく決意とともに、
今日のブログを終わりたいと思います。

Namaste(^人^)

 

あなたにも、忘れられない『誰かの経験』はありますか?

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